┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘
THERMAL TECH. INSIGHTS BY ZAWARD
メルマガ配信日 2023.10. 4
発行:放熱設計&提案のザワード
─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘
いつもお世話になっております。
株式会社ザワード 営業部でございます。
皆さまいかがお過ごしでしょうか。
ようやく秋を感じられるような気温になってきましたね。
ただ、私は窓を開けてひんやりとした空気を楽しみたい気持ちよりも、
虫の侵入に対する怖さが勝り、秋を楽しみ切れていない感が否めません。
そんな秋深まる中、9月中旬に社員一同で中国出張に行って参りました!
今月は、その中国出張レポートを下記内容二本立てでお送りいたします。
─目次─────────────────────────────────────
- 世界の先を行く中国を実感 -EV・ADAS・太陽光システム-
- ADAS・BESS向け液冷システム製造工場をご紹介!
- 編集後記
【1. 先を行く中国を実感 -EV・ADAS・太陽光システム-】
中国に行ってまず感じたのが、EV車・ADAS搭載車、
太陽光などのグリーンエネルギーに対する
意識の向き具合の違いです。
多くの工場が、そのような分野に力を入れており、
そのための設備投資や体制づくりが進められていました。
実際、世界EV車販売台数に占める中国での販売台数の割合が
6割近くと、中国がダントツで世界一であり、
日本が占める割合1%とは圧倒的な差が開いています。
中国のEV車といえばBYDが思い浮かびますが、
実際のところ現在約100社が完全EVと
プラグインハイブリットを生産しているそうです。
実際に載せてもらいましたが(Zeekerと理想汽車)、
乗り心地も良く、大型で高級車というイメージでした。
一度の充電で600km以上走るそうです。
東京から大阪まで一度の充電で行ける計算ですね。
もうこうなると、ハイブリットである必要もなさそうな気がします。
因みに、充電料金は以下。
家庭での充電 0.8元/1kwh=16円
EVスタンド 2.3元/1kwh = 46円 (1元=20円換算)
100km走るのに 20kwh程度ですので、家庭での充電で320円。
東京⁻大阪で2,000円弱。
ガソリン車が主流だった時代は、
中国車は日本と比べると経験不足なイメージがありました。
EV車の分野では、反対に中国が経験豊富なのだと、
工場の様子や工場の送迎車(EV車・自動運転機能付き)に
実際に乗ってみたことで、改めて身をもって感じました。
【2. ADAS・BESS向け液冷システム製造工場をご紹介!】
多くの工場を訪問しましたが、今回はその中でも
ADAS向けの水冷板を含む放熱部品を製造している工場を
紹介したいと思います!
この工場は、小鵬(中国EV車メーカー7位)のADAS向け水冷板を
100%シェアで製造しており、理想などの他メーカーと合わせ、
累計30万台出荷実績があります。
そのほか、PHEVの車載動力電池や
バッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)
パワーコンディショナー向けの液冷システムも製造しており、
売上高の3分の2が車載関連、
残りの3分の1が再生エネルギー関連となっています。
また、IATF16949・VDA6.3を取得しており、
この点からもレベルの高さがお分かりいただけると思います。
私たちが実際にこの工場を訪問した際も、
その管理体制や設備、技術力の高さに非常に感動しました。
加えて、24時間稼働しているという勢いもあり、
中国のEV市場発展を支えているのは、
こういう工場なのだろう、と肌で感じました。
そんな「この工場のここがスゴイ!」と感じたポイントを
4つご紹介します!
①自動化
2m近い大型の製品であっても、
自動生産ラインの体制が整えられていました。
人の手はごく一部入りますが、
そこに関しても近い将来自動化する計画があるようで、
日々創意工夫を重ねている様子を伺うことが出来ました。
②複雑な工程・大型製品にも対応できる設備
複雑な工程や大型製品にも対応できる設備が整えられ、
また、そのノウハウが蓄積されています。
細かな水路のロウ付けや、ダイキャストのFSW接合、
ダイキャスト・鍛造品のロウ付け、
1.8mを超す大型製品のロウ付けまで、
工法を複合的に組み合わせて製造しています。
③設計、シミュレーション、製造まで一貫して対応
設計、シミュレーション、製造まで
一貫して対応できる体制が整っています。
社内で一貫して対応できるからこそ、
実際の量産を想定した、製品の提案をすることができます。
④信頼性試験20項目において合格
工場内には多くの信頼性試験装置が置かれ、
製品の信頼性向上に繋げられていました。
ADAS向けの製品では、信頼性試験20項目を設定し、
検証することによって、車載レベルの品質を担保しています。
【3.編集後記】
私個人としては、中国語を勉強して5年目にして初中国という、
記憶に残る中国出張となりました。
コロナ禍後、初の海外だったのですが、
毎日仕事で中国語に触れるからなのか、
なぜかあまり異国感を感じず…
それでも現地で中国語を使うことで
これまでの努力の成果を実際に肌で感じられて、
とても嬉しかったです。